【印刷してみた】EPSON PXプレミアムマットの魅力
純朴。
私が【EPSON】プレミアムマット紙(以下、プレミアムマット紙)に初めて触れたときに抱いた印象です。
そのとき用紙に印刷されていた写真は、たしか「夜の湖」だったと思います。月が出ていて夜の湖畔には舟が一隻浮いていて。舟や湖に目をやると後ろには、どっしりと大きな山が控えていることに気付く。和を感じることのできるよくある一枚の写真だったと思います。
そんな和テイストの写真がより純朴に私の目に映ったのは、定着させた用紙がほかならぬプレミアムマット紙だったからだと思います。
写真一枚に込める想いは人それぞれ。私も写真が好きで、実際に各地に足を運び撮影を楽しんでいます。息を呑む瞬間が訪れることは撮影をしていればたびたびありますが、このプレミアムマット紙は、現場で感じた想いを実に詩的に表現してくれるのです。そして印刷を終えたら大切な”モノ”としてずっと手元に置いておきたくなる。そんな用紙です。
この記事では、
「プレミアムマット紙の特徴は?」
「どんな写真表現になるの?」
という疑問を持った方やプレミアムマット紙を採用するためにもう少し用紙について知りたいという方に向けて書かせていただきます。
〈取扱用紙〉色相のハナシ
「写真がより純朴に私の目に映ったのは、定着させた用紙がほかならぬプレミアムマット紙だったから」「現場で感じた想いを実に詩的に表現してくれる」ということを上述しましたが、なぜプレミアムマット紙を使用した印刷物は純朴に感じ、詩的な表現をしてくれるのかを考えてみました。
まず考えられるのは、ブラック・グレー・ホワイトなどの無彩色やネイビー・パープルなどの寒色系の色相で写真データが占められていること。一目見たときに「シンプルな写真」「落ち着いた写真」「しっとりとした写真」と感想を持てる写真はこの条件を満たしていると思います。(上記の写真では大雑把に分けて、植物:ブラック、空と湖:ネイビー、月:ホワイト、水面に映った月光:オレンジ、となっています。使われている色情報は4色と少なめであると言えます。)
カラフルなゼリービーンズのように暖色や中性色が画面いっぱいに散りばめられている写真やピカピカ、キャピキャピしている印象を受ける写真はプレミアムマット紙で印刷したとしても”純朴さ”は伝わりにくいかもしれません。(カラフルな写真をプレミアムマット紙に印刷することが好きな方やカラフルな写真を純朴に感じさせるテクニックをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。突き詰めれば用紙の選択は自由で「こういう写真ならこの用紙が適しているよ」くらいで受け取っていただければ幸いです。)
つまり、上述した「月夜に浮かぶ舟」の写真はこの条件に当てはまっていた、ということになります。無彩色や寒色系の色が多く含まれていた写真だった。これが”純朴さ”の演出の1つ目の要素かと思います。
色調のハナシ
次にモノクロ調、セレン調、セピア調などの色調の写真です。モノクロ写真はプロ、アマチュアを問わず、写真に携わる人であれば一度は撮った経験があると思います。
私自身、「今日はモノクロ写真だけを撮るぞ」と決めて撮影に臨む日もありますが、おもしろくもあり難しさも感じるジャンルの一つだと思っています。被写体を「色」でなく「光と影」で探すことになるので写真の上達には不可欠だと聞いたこともあります。(ちなみにまだモノクロ写真のなんたるかは理解できていません。写真上達したい…。)
モノクロ調で撮影した写真は色の情報が少なくシンプルで、良い意味で”古さ”を演出することができますし、セピア調であれば哀愁を加えることもできますよね。色の情報が少ない分、被写体のキャラクターを浮き彫りにすることができます。
つまり、色調を変えて撮影した(編集した)場合は、2色で構成された写真データになるため、色の情報量が極端に限定された写真ということになります。これが”詩的な表現”の演出をするための2つ目の要素かと思います。
プレミアムマット紙という選択
プレミアムマット紙を使うことで鑑賞者には”純朴”に、かつ”詩的な表現”だと感じさせることができます。「月夜に浮かぶ舟」の写真を実際に印刷してみて私がそう感じたように、色情報が少ない写真データを印刷する場合はこの用紙の選択は間違いのないものだと感じます。もちろん印刷物がどのような場所で、誰に向けて展示されるのかという環境にもよりますが、汎用的に使える用紙の1つとして心強さを感じるのも確かです。
逆に言えば色情報が多い写真(カラフルな写真など)の場合は色再現性は低く、どんよりとした、くぐもる印象になる場合もあります。例えば「ブラックの締まりがもっと欲しい」「パキッとした印象にしたい」という方はプレミアムマット紙ではなく光沢紙を使われたほうが、やはりかっこよくイメージに近い結果を得られることになるかとも思います。
多種多様な用紙がある中で、このプレミアムマット紙があなたの心の中に留まってくれるのでしたら、幸いです。
おまけ
”PHOTOPRI"では取り扱いがない用紙を紹介するのも恐縮ですが、モノクロ写真の印刷で言えば、PICTORICO(ピクトリコ)シリーズのゴールドシャイニーやホワイトフィルムもおすすめです。
A4、A3、A3ノビなど小さめのサイズで販売されているものなので、例えば展示会で空間的に余裕がある場合など、会場を彩る写真の一枚として加えるのはいかがでしょうか。ゴールドシャイニーのかっこよさは他の追随を許しませんよ。
プレミアムマット紙をお試し印刷してみませんか?
車を買う時は一度試乗をするように、プリントをする前に、まずはお試し印刷をご利用いただき、ご自身の目で用紙を体験してほしいと思っています。
光沢紙、マット紙、ファインアート紙、和紙など多岐に渡る用紙それぞれがもつ風合いや手触り、色写りなど、実際に印刷物を手にしてみないと分かりませんよね。
たくさんの用紙の中からベストなものを選択しようとしても、いきなりは難しいと思います。どれを選んだら良いのか分からないという方は本当に多いのです。
お試し印刷は、ご自身の写真データを使って出力することができます。
お好みに応じたお試しセットをご用意しておりますので、是非一度ご活用ください!