お問い合わせ殺到!絹目と微粒面の違いとは?
写真・イラストの印刷をするとき、あなたは用紙選びで悩んだ経験はありませんか?
先日、「絹目と微粒面の違い」についてお客様からお問い合わせがありました。秋になると展示会も増えるので、皆さん絹目紙をチェックしているのでしょうか。同様の質問が増えています。
そこで今回の記事では、絹目と微粒面の違いについてPHOTOPRIで取り扱っている「EPSONプロフォト厚手絹目」と「Canon微粒面ラスター」を例にご説明しようと思います。
絹目紙について
絹目と微粒面の違いを説明する上で、実際にPHOTOPRIで取り扱っているEPSONプロフォト厚手絹目とCanon微粒面ラスターで比較しようと思います。
が、比較をする前に「絹目紙とは何か」について改めて触れておきましょう。
世に出回っている印刷用紙はその表情も十人十色で、特徴はさまざまです。用紙の数だけ個性や特徴があると言ってもいいでしょう。(もう知ってるよという人は飛ばしてください。)
印刷用紙の中でも人気の「絹目紙」とは、表面の質感(面質)がきめ細やかな微粒面になっており、印刷後、落ち着きのあるしっとりとした演出ができる用紙のことです。
微粒面とは、簡単に言ってしまえば用紙の表面に凹凸が付いているものです。
(↑少し見にくいですが、表面に凹凸があります。)
例えば、EPSON写真用紙クリスピアのように用紙表面がフラットになっているものもあれば、EPSONプロフォト厚手絹目のように凹凸が付いているものもあります。
この凹凸が付いている用紙は、写真を立体的に感じることができるという大きな特徴もあります。
用紙の表面がでこぼこしていれば、していないものと比べ「用紙自体が立体的である」と言えますよね。
3Dのように飛び出して見えるところまではいきませんが、こういった特徴は人物写真の印刷には特に活かされます。
また、絹目紙で印刷した写真の仕上がりは落ち着きのあるものなので、反射もきつくなく、光の映り込みも少ないので、展示用の印刷にも向いています。
プロの写真家からも愛される絹目紙の人気の秘訣は、まさにこの点にあると言えます。
EPSONプロフォト厚手絹目とCanon微粒面ラスターの違い
さて、本題ですね。
EPSONプロフォト厚手絹目とCanon微粒面ラスターの違いについてですが、結論から言うと「決定的に目立つ違いはない」と言えます。
とはいえ、よく見なければ分からない微妙な違いはありますので、いくつかご紹介します。
前提として、同じ条件で比較するため、印刷の条件(プリンター、解像度、ガンマ値、カラーモードなど)は統一しています。
写真、イラストともにA4サイズに印刷後、蛍光灯や日光のもとで見る角度を変えながら観察しています。
また、目で見ただけの判断になりますので、詳しい用紙の違いは断言できかねますのでご容赦ください。
①反射の仕方
2つの用紙を見比べたときに感じることのひとつが「反射の仕方」です。
絹目紙は表面に凹凸が付いていると上述しましたが、よく見てみるとその大きさに違いがあることが分かりました。
この「へこませ方」がメーカーによる工夫でもあるわけですね。
同じ大きさのへこみをつけたり、違う大きさのへこみをつけたりと、試行錯誤を繰り返しているのだと思います。
へこみの大きさを変えることで用紙の反射の仕方を変えているということですね。
(↑EPSONプロフォト厚手絹目)
(↑Canon微粒面ラスター)
さて、今回比較する2つの用紙をよく見てみると、EPSONプロフォト厚手絹目は一定の大きさの凹凸がついており、Canon微粒面ラスターは大小の凹凸がついているように見えました。
Canon微粒面ラスターはEPSONプロフォト厚手絹目よりも滑らかな反射なので「落ち着き具合」で言えば、よりしっとりとする印象です。
②発色の仕方
さて、反射の仕方の他にどのような違いがあるのか。
それは「発色」です。
結論から申し上げれば、EPSONプロフォト厚手絹目のほうがCanon微粒面ラスターよりも「色がはっきり」と出ます。
2つの用紙を比べたときに色が明るく印刷されたのがEPSONプロフォト厚手絹目でした。
上述した通り、印刷の条件は同じにしているので明確に用紙の違いが出た点かと思いますが、絹目紙にポップな感じで、または明瞭な印象を残したいと考えている方はEPSONプロフォト厚手絹目がおすすめです。
補足ですが、逆に言えばCanon微粒面ラスターのほうが色が暗めにうつるということですが、色が暗くなることが必ずしも悪いということではありません。
作品の雰囲気に合わせて暗めな演出にしたいときには適役ですし、モノクロ写真やイラストの印刷にはCanon微粒面ラスターを採用される方も多いので、こちらもおすすめの用紙です。
物憂げな白黒ポートレート写真には向いていると思います。
まとめ
今回の2つの用紙の比較は、普段印刷に携わっている身の私から見ても難しい比較でした。
用紙のもつ反射や発色などの特徴は、個人の好みが大きく関わりますし、作品のゴールによっても武器になるかどうかは変わってきます。
間違いのない情報を極力お伝えできるように記事にまとめてみましたが、間違いなく言えることは「展示用」の作品として印刷をするのであれば両方ともおすすめできるということです。
絹目紙のように光沢感が「半光沢」であれば、会場での光の映り込みを抑えることができるからです。
また、展示用でなくても絹目紙の印刷のご注文はとても多いので、例えばご自宅で飾るだけという方にもおすすめです。
お試し印刷してみませんか?
車を買う時は一度試乗をするように、プリントをする前に、まずはお試し印刷をご利用いただき、ご自身の目で用紙を体験してほしいと思っています。
光沢紙、マット紙、ファインアート紙、和紙など多岐に渡る用紙それぞれがもつ風合いや手触り、色写りなど、実際に印刷物を手にしてみないと分かりませんよね。
たくさんの用紙の中からベストなものを選択しようとしても、いきなりは難しいと思います。どれを選んだら良いのか分からないという方は本当に多いのです。
お試し印刷は、ご自身の写真データを使って出力することができます。
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