【印刷してみた】EPSON MC画材用紙の魅力
EPSON(エプソン)から販売されているMC画材用紙は、落ち着いた風合いが人気のファインアート紙です。
マット系の用紙の中でも扱いやすく、写真やアートの分野で活躍されている方からの支持も厚いです。
”PHOTOPRI”では以下の6種類のマット系の用紙をご用意しております。
- 【PICTRAN】局紙
- 【EPSON】PXプレミアムマット
- 【EPSON】MC画材用紙
- 【EPSON】Velvet Fine Art Paper
- 【Hahnemuhle】Photo Rag
- 【Hahnemuhle】Torchon
MC画材用紙のほかに、皆様から特に採用率が高いものが、同メーカーから販売されている「PXプレミアムマット」という写真用紙です。
MC画材用紙とPXプレミアムマット。
多くのプロに選ばれる2つの用紙には、いったいどのような違いがあるのでしょうか。
今回の記事ではMC画材用紙を取り上げますので、
「画材用紙の特徴は?」
「プレミアムマットとどう違うの?」
「どんな写真やイラストに適しているの?」
などの疑問やお悩みを持った方に向けて書かせていただきます。
また、今回ご紹介するMC画材用紙は、用紙の特徴やレビューなど、ネットやSNSで調べてみても詳細がなかなか出てこない用紙でしたので、採用したいけどいまいち踏ん切りがつかないという方は、この記事を参考にしていただければと思います。
〈取扱用紙〉
MC画材用紙という選択
(画材用紙に印刷をするとこんな感じです。落ち着いた趣のある写真に仕上げることができます。)
用紙の剛性について
画材用紙に触れて、まず分かることはその「厚み」。
画材用紙は0.29mmですので、写真用紙の中では厚い部類に入ります。(プレミアムマットは0.25mm)
この厚みがあることで、B0のような大きなサイズで印刷をした場合でも、作業中折れにくく、取り回しがしやすいわけです。
分厚いわけではないので、折れにくいとは言っても丁重に扱う必要はあります。(もちろんどの用紙でも折れるときは折れるので、裏打ちやフレームにセットする際「少し気が楽になる」程度でしょうか。)
とはいえ、厚みは用紙自体の剛さにも関わってきますし、抵抗なく手に取ることができるというのは大きなメリットのひとつと言えます。
紙自体に耐水性はないため、湿気が多い環境では印刷物の表面がぼろついてきたり(用紙の変形)、色に変化があったりと、状態が悪くなるケースもあるかもしれません。
また、マット系の用紙全般に言えることではありますが、スレには弱いので指でこすってしまったり、ひっかいたりすると目立ちますのでご注意ください。
用紙の質感について
画材用紙の表面はテクスチャーマット(紙の表面が少しざらついているイメージ)になっています。
(見にくいですが、表面に凸凹があります。フチの部分がざらっとした質感になっていますね。)
余談ですが、光沢系の用紙では、同じくEPSONから販売されている「プロフェッショナルフォトペーパー厚手絹目」というものがあります。
プロフォト厚手絹目は表面が微粒面となっておりますが、画材用紙の表面は、それよりももう少し荒めに凸凹がついてる感じがします。
ですので「プロフォト厚手絹目のマット紙版」というわけではありません。
※ちなみにプレミアムマットは屋内展示向けに開発された用紙です。画材用紙は屋外でも使えないことはないですが、紙の変形を考えると多湿の日本では向いていないと思われます。
どのような写真・イラストに適しているのか
イラスト・グラフィックアートの印刷に!
画材用紙は、EPSONのHPでは「ファインアート紙」として位置付けられています。
ファインアート紙とは、インクジェットプリント技術の向上により「紙としてのクオリティ」が飛躍した用紙のひとつです。
その大きな特徴は「保存性」と「風合い」を両立しているということ。
画材用紙の場合は、上述しました「テクスチャーマット」になっているという点が、他の用紙と大きな差を生むものになっています。
マット系の用紙の中で、もう一つ人気の用紙がプレミアムマット紙ですが、こちらは表面に凸凹がないため、仕上がりもさらっとした印象になります。(プレミアムマットは純朴で、詩的な表現になります。)
この画材用紙についてですが、ご注文者様の作品の多くは「イラスト」や「グラフィックアート」であることが多いです。
イラスト・グラフィックアートを印刷する際、書き手として、手書きの良さを残したいと考える方は多いはずです。「手書きの良さ」とは、仕上がりが素朴であることや逆に壮大であること、手書きならではの細部までこだわり抜いた表現、というところかと思います。
画材用紙で印刷をしたことがある方であればすでに認知していることかと思いますが、画材用紙はイラスト・グラフィックアート、どちらの芸術表現とも相性が良く、リピート確定になる用紙でもあるので、”PHOTOPRI”としてもオススメできます!
色情報の少ない写真にはオススメできる
画材用紙はイラスト・グラフィックアートだけでなく、もちろん写真にも使うことができます。
ただしこれまでの経験から分かったことにはなりますが、印刷する写真は「ある条件をクリアしたもの」であればオススメできる、と感じています。
その条件とは「色情報が少ない写真」のことです。
マット系の用紙で印刷をすると、良くも悪くも印象として「落ち着いてしまう」ということが言えます。
例えば、色情報が多い写真(カラフルな写真など)の場合は、色再現性が低く、どんよりとした印象になってしまうこともあります。(もちろん鑑賞者によりますが。)
パキッとした印象やシャープな印象を求めるのであれば、画材用紙だとまろやかになりすぎるので、光沢系の用紙を使うなど、選択肢を増やした方が良さそうです。
上の写真の印刷物は様々な色が使われています。やはり全体として落ち着きのある印象です。
これくらいの仕上がりが許容できる方、むしろこれくらいがいい!という方でも、念のため、一度お試し印刷をしてからご注文されたほうが確実かと思います!
おまけ
世間一般では、幾何学的な視覚芸術文化は、海外では昔から多くの芸術家によって表現されてきていますが、日本ではまだ「視覚芸術」というもの自体、欧州と比べると活発ではありません。
徐々にではありますが、グラフィックアートのご注文の増加は”PHOTOPRI”スタッフ一同、非常に嬉しく思います!
がんばれ若手!笑
MC画材用紙をお試し印刷してみませんか?
車を買う時は一度試乗をするように、プリントをする前に、まずはお試し印刷をご利用いただき、ご自身の目で用紙を体験してほしいと思っています。
光沢紙、マット紙、ファインアート紙、和紙など多岐に渡る用紙それぞれがもつ風合いや手触り、色写りなど、実際に印刷物を手にしてみないと分かりませんよね。
たくさんの用紙の中からベストなものを選択しようとしても、いきなりは難しいと思います。どれを選んだら良いのか分からないという方は本当に多いのです。
お試し印刷は、ご自身の写真データを使って出力することができます。
お好みに応じたお試しセットをご用意しておりますので、是非一度ご活用ください!