【印刷してみた】EPSON Velvet Fine Art Paperの魅力
そう形容される用紙が、EPSONのVelvet Fine Art Paper(ベルベットファインアートペーパー)です。
マットな面質が作品に落ちついた印象を与え、写真に携わる方からの支持も厚いです。
正直なところ、”PHOTOPRI”で取り扱いのあるマット系の用紙の中では、比較的選択されませんが、もっとVelvet Fine Art Paperについて知っていただければ、きっと採用に繋がるのではないかと思います。
今後の用紙選択をいつも迷ってしまう方のひとつの選択肢となれば嬉しいです。
今回の記事では、Velvet Fine Art Paperを取り上げ、
「Velvet Fine Art Paperの特徴は?」
「マット系の用紙の魅力は?」
「どんな写真やイラストに適しているの?」
などの疑問やお悩みを持った方に向けて書かせていただきます。
〈取扱用紙〉
【EPSON】Velvet Fine Art Paperという選択
Velvet Fine Art Paper(以下、ベルベットファインアートペーパー)は、ある程度プリントをしたことがある方であれば、選択肢のひとつに入っている用紙だと思います。
プリント初心者の方にも分かりやすいようにご紹介します!
長期の保存に向いている
まず、用紙の大きな特徴といえば、コットン繊維を100%用いた中性原紙を採用しているという点です。
コットン100%の用紙は、時間経過による劣化を最小限に抑え、より長期間の保存が可能になっているのです。
また、写真用紙は、表面ににじみ防止剤や蛍光増白剤といった薬品が使われているものもあります。
そしてそれらは紙繊維の酸化を促し、年月とともに用紙を劣化、変色させてしまいます。
そういった薬剤が使われていないということも長期保存に一役買っています。
長期的に保存をしていくために注意したいことを以下にまとめますので、参考にしてください。(EPSONのHPから一部引用)
1.保管用の入れ物や素材に気を配る
プリントの保管には、主に3種類の方法があります。
「アルバムやファイル」「額装」「写真用箱」です。
「アルバムやファイル」での保管の場合、ポリエステル製やポリプロピレン製のものを選ぶようにしてください。塩ビ製のものだと、用紙の変色を招くことがあるようです。
「額装」の場合は、無酸のブックマット、無酸のコーナー、無酸のテープを使用し、UVカットのアクリルを被せましょう。
”無酸の”というところがポイントですね。
「写真用箱」での保管は、まず無酸性紙か中性紙が使われた箱を用い、プリントした作品の上に中性紙の合紙(あいし)を載せると、プリントの酸性劣化を防げるようです。
2.保管場所に気を配る
保管場所を選ぶときは、温度や湿度の変化が極力少ない場所が理想的です。水場が近いと用紙の劣化が早まるため、避けましょう。
際立つ”ハイライト”で立体感を
ベルベットファインアートペーパーの2つ目の特徴は、ハイライトが際立つ点です。
ベルベットファインアートペーパーを使った作品は、一般的なマット系の用紙と比べ、ハイライトが冴えます。
ハイライトが冴えるということは、コントラストが付き、作品に立体感が生まれるということです。
”立体感が出る”というのは、写真を撮っている者からすればとても重要で、魅力的に感じる点ですよね。
しかもベルベットファインアートペーパーは彩度を極力落とすことなく印刷できます。
また、皆さんは印刷後(特にマット系の用紙の場合ですが)、被写体の細部が色がにじんで、つぶれてしまったという経験をしたことありませんか?
特にマット系の用紙で印刷をすると、そのようなことになってしまうこともありますよね。
「今にも獲物を捕らえようとしている鳥の活き活きとした目」
「ミツバチが蜜を吸うために停まった花の中心部」
など、細かいところの表現を確実にしてほしいのにそれが叶わない…。
そんな不満を満足の行く形で表現してくれるのが、ベルベットファインアートペーパーです。
際立つコントラストにより表現される立体感。
いい味出ますよ、この用紙。
どのような写真・イラストに適しているのか
奥行きを出したい作品に
ベルベットファインアートペーパーは「奥行きを出す」という点ではうってつけです。
その秘密は”鮮やかな色表現”と”黒色の締まり”と”表面のテクスチャ”です。
ベルベットファインアートペーパーは色のりがよく、鮮やかに印刷することができる用紙です。
マット系の用紙で代表格といえばPXプレミアムマット紙がありますが、比較してみると「色の強さ」が違います。
PXプレミアムマット紙も純朴な表現が魅力的ですが、色が落ち、暗く印刷されていると感じる方もいると思います。
ベルベットファインアートペーパーは、その点、しっかりとデータの色を担保し印刷してくれます。
”黒色の締まり”が良いということも魅力的です。
黒が強く表現されるため、色のついている部分が際立ち、明暗差が生まれ、鑑賞者に奥行きを感じさせてくれるのです。
そして最高のスパイスが”表面のテクスチャ”です。
ベルベットファインアートペーパーはテクスチャのついた用紙になっているため、作品をしっとりとした仕上げにしてくれるのです。
このしっとりとした表現が、撮影現場での空気感までも演出してくれるように感じ、作品を観た人をうっとりとさせるのだと思います。
おまけ
つらつらと語ってきましたが、私としては、ベルベットファインアートペーパーの魅力はマット系の用紙の中でも「使いやすさ」にあると思います。
上述したように「作品の表現」という点において、文句はありません。
マクロで撮った生き物や植物でも、楽しい旅行での風景写真でも、気軽に撮った街でのスナップ写真でも、ベルベットファインアートペーパーは確実に仕事をしてくれると思っています。
彩度は落ちず、むしろ鮮やかな色表現、用紙のテクスチャと冴えたハイライトにより生まれる立体感、長期保存…。
この用紙を使うだけで、例えば写真展では他の方との差別化を大きく図れるのではないでしょうか。
ぜひ一度、ベルベットファインアートペーパーを体験していただければと思います。
【EPSON】Velvet Fine Art Paperをお試し印刷してみませんか?
車を買う時は一度試乗をするように、プリントをする前に、まずはお試し印刷をご利用いただき、ご自身の目で用紙を体験してほしいと思っています。
光沢紙、マット紙、ファインアート紙、和紙など多岐に渡る用紙それぞれがもつ風合いや手触り、色写りなど、実際に印刷物を手にしてみないと分かりませんよね。
たくさんの用紙の中からベストなものを選択しようとしても、いきなりは難しいと思います。どれを選んだら良いのか分からないという方は本当に多いのです。
お試し印刷は、ご自身の写真データを使って出力することができます。
お好みに応じたお試しセットをご用意しておりますので、是非一度ご活用ください!